翌日は雨で荒れ模様だという予報だったので、この日にもう一座、欲ばることにした。
登山口のそばには、広い山畑。
うちと同じで、収穫はもう、あらかた終わったようだ。
葉の開いたままの白菜が、ぽつんぽつんと残されている。
植えつけが、遅かったんだな。
日当たりはよくなさそうなのに、見なれぬ菜っぱが黄色い花を咲かせていた。
はじめは右がアカマツ、左がスギの暗い道だが、尾根の上に上がると、ヤブコウジの下生えの、明るいアカマツ林となった。
樹林越しに、太平洋が間近く見える。
ワープロで打った合目表示板を見る以外には、変化に乏しい山道だ。
7合目を過ぎると、雑木も混じってくるが、10〜15年生の雑然とした林。
急な登りもなく、じつに坦々とした登山道だった。
少し荒れたアカマツの尾根は、京都・東山の里山を思い出させる。
こういうところは、自分にとっての山の原風景のような気がするほど、なつかしい。
少し下って登り返すと、十万山の山頂。
海側が広く伐開されており、展望がよい。
また、やぐらやブランコなどが設置されており、子どもが遊べるように整備されていた。
奥にまつられている山祇神社に拝礼して、小休止。
ブランコがかけられたアカマツの大木は、枝ぶりもなかなか立派だ。
風もないので、とても暖かく、のんびりしたかったが、陽もずいぶん傾いていた。
帰りは来た道を戻った。