夫婦岩登山口から少し移動して、こんどは岩岳へ。
道路下の内川は、静かではあるが、とても端正な流れだった。
第一登山口の駐車場に自動車をデポして、自転車で第二登山口に移動。
こちらは、はなから急登だったが、それだけに尾根はすぐだった。
ここからまず、東の展望台へ。
眼下には、丸森の市街地。
夫婦岩からの展望と似ているが、太平洋を背景に、鹿狼山や五社壇から北の連山がずいぶん近い。
この連山をずっと縦走できたら、楽しかろうと思われた。
ひとしきり、眺めを楽しんで、本峰へ。
おだやかな稜線だが、ときおり、大岩を見る。
ここは、夫婦岩とはちがい、堆積岩か変成岩系の岩だったので、何となく、西上州の山を彷彿とさせるものがあった。
本峰手前のピークから見る岩岳は、なかなか立派な鋭峰だった。
それだけに、最後の登りは、ひどく急で、下りならいやな感じがするところだった。
岩の間をよじ登ると、山頂一帯には団体さんがにぎやかに休んでいた。
自動車をデポしたとき、全員でお手々をブラブラなど、体操をしていた人たちだ。
風花まじりの強い風が吹いていたので、ヤブの中のあいたところに座って、小休止。
ここもまた、展望のよいところだった。
さて、下山にかかろうと腰を上げたが、下山ルートには団体さんが座り込んでおり、エスケープルートには、ぐっすり昼寝をしている人がいた。
またいでいくのは、いかにしても失礼かと思ったので、ヤブに入って巻き抜けた。
第一登山口への道には、いくつかの石祠がおいてあり、そのうちのひとつには、稲わらが供えられてあった。
岩岳もまた、農業信仰の山だったのだな、と思った。