暖かな日だまりで名山を望む
−女神山−

 【年月日】  1998年12月21日
 【パーティ】 単独
 【タイム】 椚平登山口(12:50)−女神山(1:35)−堀切登山口(2:35)
 【地形図】 月舘

千貫森から見た女神山
 今回のフィナーレは、展望がよいという、この山と決めていた。

 月舘村側の上手渡口への道路は通行止めだったので、堀切口に自動車をデポして、自転車で椚平の登山口へ移動。

 歩きはじめは、田園地帯の中のゆるい登り。
 最奥の人家のわきが山道の入口だった。

 ここでも荒廃した棚田が見られ、女神山からの水の流れも消えているようだった。
 一つ隣の田んぼとの標高差は、5メートルほど。

 これこそ、日本人が21世紀に受け継ぐべき遺産であると思うが、詮ないことだ。

 桑の木の伸びた山畑のあとを縫っていくと、落ちついた里山の風情。
 前日から吹いていた風がやんで、暑いくらいとなった。
 フリースを脱ぎ、切り株に出ていた硬いきのこの写真撮影などしながら、のんびり行った。

 堀切口への分岐を見ると、早くも山頂直下で、さっき登った花塚山が順光に映えていた。

 山頂には石祠が二つと、さびた鉄剣の納められた石穴。
 三角点の周囲は暖かな広場で、東側以外は、遮るものは何もない。
 昨日以来歩いてきた川俣町周辺を、総ざらえできる展望だった。
 風がおとなしくなったので、吾妻・一切経山が白無垢姿を現し、安達太良や蔵王連峰も見え始めていた。

 昼寝をしたいくらいにのんびりした山頂だったが、帰りも長いので大休止にとどめ、堀切口に向かって下山。
 こちらは尾根コースなので、樹間から周囲が見わたせる。
 女神山の3コースの中ではいちばん気持ちのよいコースかもしれない。

 自動車デポ地点まで30分ほどだった。