好展望、容姿端麗の小ピーク
−口太山−

 【年月日】 1998年12月20日
 【メンバー】 単独
 【タイム】 不動坂(11:10)−登山口(11:40)−乳コ岩(12:00)−口太山(12:30)−夏無沼(1:25)
 【地形図】 川俣

麓山から見た口太山
 自動車を東和町側の夏無沼キャンプ場にデポし、自転車で川俣町側の不動坂登山口に向かった。
 途中、笹ノ田から町境にかけての峠が登りだったので、ちょっときつかった。
 荒町集落入り口に自転車を止め、山に向かってしばらくは車道歩き。

 広くもない谷だが、小さな棚田がいくつも重なっている。
 それが草だらけになって、荒れているのは、いかにももの悲しかった。

 この谷では、タラノメの栽培をずいぶん手広くやっていた。
 ここのタラノメは棘が少なく、多少は扱いやすそうに見えた。
 しかし、これだけ大量のタラノメが一斉に芽を吹いたら、とても収穫しきれるものではあるまい。
 かなりの部分は、芽の出る前に切って、加温して吹かせるやり方で早く出すのかな、などと想像した。
 放置された桑の株がいくつかあったので、このタラ畑は、かつては桑畑だったことがうかがえた。

 30分ほど歩いてようやく登山道入口。
 ここから山道。
 すぐに逆層の一枚岩が何枚か重なった猿すべりの滝だが、水はほとんど流れていない。

 少し登ると乳コ岩で、垂れ下がった乳のような形の岩が二つ並んでいた。
 ここからはおおむね雑木の尾根。ほとんどコナラだ。
 やはりこういうところは気持ちがよい。

 ときおり見かける、鮮やかな黄緑色の「木の実」。
 これは、木の実でなく、ウスタビガの繭だ。
 時間はたっぷりだが、食えるきのこはないので、かたいきのこの写真をいくつか撮影しながら、のんびり行った。

 やや急なところを登りきると、口太山の山頂。
 西から北にかけてが一望できるよいところだった。
 西には、さっき登ったばかりの木幡山。
 北には、霊山や女神山、花塚山など。
 南側はアカマツの樹林で、展望なし。

 ここは、木幡山を眺めながらの大休止とした。
 よく晴れているのだが、ひっきりなしに風の花が舞う。
 冬の阿武隈では、こういうことがよくあるように思う。

 下山は、来た方とは逆に、針道へ。
 ここまでコナラ林だったのが、ここからはアカマツ林に変わる。
 途中、左手に牧場の一角がある。
 ここからは、日山、麓山、鎌倉岳など、懐かしい山々がよく見えた。
 日山あたりはすでに積雪があるようだった。

 自動車デポ地点までは、20分もかからなかった。